メタボリック症候群の定義の中に中性脂肪値の基準があるように、メタボリック症候群とそれによる生活習慣病と、中性脂肪には深い関連性があります。
メタボリック症候群の定義には中性脂肪が150ml/dl以上であること、HDL(善玉コレステロール)が40mg/dlという項目があります。
中性脂肪が高いと余った中性脂肪が善玉コレステロールを減らし悪玉コレステロールを増やすので、これらの数値は概ね連動して動くこととなります。ですから、中性脂肪値というのは非常に注意が必要な項目なのです。
メタボリック症候群というのは複数の危険因子を兼ね備えた「状態」であり、何かの病気というわけでもなく、また自覚症状にも極めて乏しいのです。
ですから特に健康に対する意識が低い人は放置しがちなものですが、様々な病気を引き起こす危険な状態と言えます。
メタボリック症候群が引き起こす最も頻度の高い病気は動脈硬化で、動脈硬化が進行すると脳梗塞や心筋梗塞と言った致死性の高い症状を引き起こす上に改善が極めて難しいため、予防に徹する必要があります。そしてメタボリック症候群は動脈硬化の最大のリスクですので、メタボリック症候群の解消の重要性が叫ばれるのです。
動脈硬化は血管の内側が傷ついたり、そこに脂肪が張り付いたりすることで血管全体がもろく弾力が失われたり狭くなったりする症状です。この進行にはコレステロールが深く関わっており、そして悪玉コレステロールを増やしてしまう中性脂肪もまた、動脈硬化に深く関わっているのです。