中性脂肪値のコントロールを食事によって行いたいと考えた場合、主に気をつける点は二点です。動物性脂肪の摂取総量を極力減らすこと、そしてカロリー摂取総量を適正範囲内に収めることです。
動物性脂肪、正確には飽和脂肪酸はできるだけ摂取しないよう努めることが重要です。
脂肪自体は人間の生命維持に重要な役割を担っていますが、基本的に現代人で脂肪摂取総量が不足するという自体はほとんどなく、エネルギー代謝の目的にしかほぼ使われない上に体内で合成できる、必須でない脂肪酸の飽和脂肪酸はわざわざ意識して摂取する必要が殆ど無いのです。
他の必須な不飽和脂肪酸、特に健康に大きな役割を持つ、魚油に多く含まれるオメガ3脂肪酸などを十分に取っていればそれでエネルギー代謝や脂溶性ビタミン代謝と言った脂の役割をも十分果たせるため、飽和脂肪酸はやはり摂取する必要性に欠けるのです。
飽和脂肪酸を多く摂ると有意に血中の中性脂肪値も上昇し、それによって血中コレステロール値も悪影響を受けるために非常に健康に害を与えます。悪玉コレステロール値が上がれば動脈硬化とそれを原因とした心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増え、極めて危険です。
また、飽和脂肪酸総量だけを制限しても、上記の通り飽和脂肪酸は体内で合成できますので、カロリー総量も制限しなければなりません。
ただし注意としては、飽和脂肪酸とは異なりカロリーは極端な制限を行ってもいけません。そもそも極端なカロリー制限は続かないものなのでリバウンドを招きますし、代謝を下げて体の活動を低調なものにし、消費カロリーが減ることからいわゆる痩せにくい体となってしまいます。適度な範囲に収めることを目標としましょう。