中性脂肪、何かとネガティブな臭いがするこの単語ですが、最近では複数の使われ方がされています。
もともとはお腹のつまめる肉である皮下脂肪など、体のエネルギー貯蔵庫として蓄積した脂肪のことを指した言葉でしたが、今では主に血液中の脂肪のことを指しています。
この血中の中性脂肪値は、肥満やそれによる健康悪化に非常に関連性が深い数値として、血液検査では注目される値の一つです。
当然太って脂が余れば血中の中性脂肪もそれに比例して増えることになるのですが、問題は血中に増えた中性脂肪が善玉コレステロールを減らし、逆に悪玉コレステロールは増やしてしまうという点です。このことが健康状態を加速度的に悪化させるため、肥満は健康の大敵だとよく言われるのです。
また、一昔前までは脂肪細胞の数は生涯において変化せず、その大きさのみが生活習慣によって変化するという説が一般的でした。
しかしながら最近の研究では中性脂肪の過剰によって行き場のない中性脂肪ができると、その受け皿として新たな脂肪細胞が作られてしまうことが確認されています。
さらに脂肪細胞はそれ自身が脂肪を次々に生み出す元凶となりますので、生活習慣の緩みによって一度脂肪がある程度付いてしまうと、元の状態に戻すためには非常に大きな労力が必要となってしまいます。
それどころか脂肪の量は増え続けるので状況はどんどん悪化していくことになります。肥満や脂肪の過剰は初期に対処するしかないのです。